【図の見方】野球の骨格解析ってどう読むの?棒人間グラフを5分で理解する

スイング解析

当ブログでは、プロ野球選手のスイングを「棒人間」のような図に変換して分析しています。森下翔太のホームラン解析や、佐藤輝明との比較——見たことはあっても、「正直、あの図が何を表しているのかよくわからない」という方も多いはずです。

この記事は、その図の”読み方”だけをやさしく解説する入門ページです。専門知識はいりません。これを読んでから他の解析記事を見ると、面白さが何倍にもなります。

そもそも、あの図は何なのか

あの棒人間は、AIが選手の映像から体の関節位置を自動で読み取って、線でつないだものです。使っているのはMediaPipe(メディアパイプ)というGoogleが公開している技術で、人の体の33個のポイント——頭、肩、ひじ、手首、腰、ひざ、足首など——を1コマずつ検出します。

普通の動画だと、スイングは一瞬で終わって細かい動きが目で追えません。でも関節の位置を数値にしてしまえば、「この瞬間、腰は何度回っていたか」「手首はいつ一番速くなったか」を、あとからじっくり測れる。これが骨格解析です。

要するに、あの棒人間は「選手の動きから、余計な情報(顔や背景やユニフォーム)を全部そぎ落として、”骨の動き”だけを取り出したもの」だと思ってください。

図の基本:3つのパーツを覚えれば読める

当ブログの解析図は、だいたい次の3パーツでできています。ここだけ押さえれば大丈夫です。

① 棒人間(スティックフィギュア)

体を線で表したものです。点が関節、線が骨だと思ってください。1枚の図に「構え」「テイクバック」「インパクト」「フォロースルー」など複数のポーズを並べているときは、時間の流れを左から右に追っていると考えると分かりやすいです。

見るべきは全体のシルエット。「腰がしっかり回っているか」「頭がブレずに残っているか」が、線の傾きや位置で一目で分かります。

② グラフ(数値の時間変化)

棒人間の横や下にある折れ線グラフは、「ある部位のスピードや角度が、時間とともにどう変化したか」を表します。横軸が時間、縦軸がスピードや角度です。

たとえば手首のスピードのグラフなら、山のてっぺんが「一番速くなった瞬間」。この山がインパクトの直前にきていれば、「ヘッドが走る良いスイング」の証拠になります(この話は「良いスイング3つの共通点」の記事で詳しく解説しています)。

③ 注釈(赤い線や矢印)

「回転」「インパクト」といった文字や、赤い点線。これは「ここに注目してね」という道しるべです。図の中で一番大事なポイントを示しているので、まずここから見ると迷いません。

よく出る専門用語をやさしく翻訳

解析記事で出てくる言葉を、日常語に言い換えておきます。

・運動連鎖(うんどうれんさ)…力が「下半身→体→腕」の順にバトンリレーされること。腕だけで振る「手打ち」の逆です。
・捻転差(ねんてんさ)…腰は回り始めたのに、肩はまだ我慢して残っている、その”ねじれ”の差。大きいほどパワーが溜まります。
・ヘッドスピード…バットの先端の速さ。速いほど打球は飛びます。
・インパクト…バットがボールに当たる瞬間。解析ではこの一点を基準に前後を見ます。
・角速度…体の部位が「1秒間に何度回るか」の速さ。腰の回転の勢いなどを測ります。

この5つを知っているだけで、解析記事の文章がぐっと読みやすくなります。

実際に読んでみよう:森下翔太の解析図

では、実際の記事で練習してみましょう。森下翔太の22号ホームランの解析(→22号解析記事へ内部リンク)を、この順番で見てみてください。

  1. まず棒人間全体のシルエットを見る(体がしっかり回っているか)
  2. 次に赤い注釈が指している部分に注目する(注目ポイント)
  3. 最後にグラフの山の位置を確認する(いつ加速したか)

この3ステップで見ると、「なんとなくスゴそう」だった図が、「下半身から順に力が伝わって、インパクト直前に手首が最高速になっている」という具体的な物語として読めるようになります。

なぜわざわざ図にするのか

「解説者の”良いスイングですね”という一言を、誰が見ても同じように確認できる形にする」——これが骨格解析の価値です。

感覚やベテランの目に頼っていた”良し悪し”を、数値とグラフで誰にでも見えるようにする。だからプロの評価に納得できるし、自分やお子さんのスイングとも比べられる。これがデータで野球を見る面白さです。

まとめ:この3つだけ覚えて帰ってください

・あの棒人間は「体の動きだけを取り出した図」
・グラフの山の位置=「いつ一番速くなったか」
・赤い注釈=「一番の見どころ」

この3点さえ頭に入れておけば、当ブログのどの解析記事も楽しめます。ぜひ他の記事も、新しい目で見てみてください。

なお、「自分でもこの解析をやってみたい」という方向けに、実際のやり方をコード付きで解説した記事も用意しています


※本記事の解析図は当ブログ独自に作成したものです。

※「スコアの向こう側」は、データ解析で野球観戦がもっと面白くなるブログです。

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